気付いてよ

それから1週間くらいの間は奏に委員会があったり、俺も友達と遊んだりして一緒に帰ることもなかった。

そんなある日、俺は後輩に呼び出されて空き教室にいた。
まぁ、内容は告白だよな。

俺より後に入ってきた後輩が緊張した面持ちで俺に言った。

「幸村先輩っ!私、幸村先輩のことが好きなんです!つ、付き合ってくれませんか?」

ほら、予想通りだ。
まぁ、2年になってから付き合ってたのはタメか先輩ばっかりだったから、たまには後輩もいっか。

「うん、いいよー。でも、一つだけ約束があるんだ。守れる?」

いいよの一言で後輩の顔がぱぁっと明るくなる。

「あ、ありがとうございます!もちろん守りますよ!」

その後輩の言葉に俺は決まり文句を言った。

「良かった。約束っていうのはさ、束縛とか重いのはなし。それだけ。簡単でしょ?もちろん俺たちは付き合うんだから、浮気なんかはしないから大丈夫。」

そう言った俺に後輩は言った。

「はい!束縛なんてしないから大丈夫です。」

皆最初はそういうんだけどね、って言葉は嫌な奴みたいだから言わなかった。
思ってる時点ですでにいい奴ではないけどね。
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