気付いてよ

キーンコーン…

なんて答えようか考えあぐねているところで、タイミング良くチャイムが鳴った。

真那は帰るのを渋ったが、後で話すと丁重に説得して帰ってもらった。


はぁ、心の中で溜め息を吐く。

真那に言われたことはほぼ図星だ。

今日話してみただけでも垣間見える大倉くんの人の好さを思い出す。
やっぱり利用することなんて出来ないという結論にたどり着いてしまう。

結局、帰りのHRまで考えていたけど、大倉くんについても、朋についても、いい考えなんて浮かばなかった。

だから、私はいったん思考を放棄した。





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