気付いてよ

すると、朋は笑いながら答えた。

「そりゃ、恋愛経験値の低い幼馴染が告られたって聞きゃあさ、俺がアドバイスしなきゃダメかなぁって思ってさ。まぁ、俺の予想は断った方だけどな~。」

あぁ。
やっぱりそうだよね。
頭では分かっていたつもりなのに、それはつもりでしかなかったみたい。
結構キツイなぁ…。

もしかしたら、なんて考えた自分の軽率さが嫌になった。

目頭が熱くなってくるのが分かる。
涙が込み上げる感覚に、慌てて俯く。

すると、俯いて何も答えない私を変に思ったのか、どうした?、と言いながら朋が私の顔を覗き込んできた。

まずい、そう思った私は目を手で覆って擦った。
そして、目にゴミが入ったふりを必死でした。

涙は止まってくれなかったけど、後にも先にもこの時だけは、朋の鈍感さに感謝した。

朋は本当に私の目にゴミが入ったと勘違いしてくれたみたいだ。

私は、本当はとっくに出してしまった課題を出すと嘘を吐いて、朋に背を向けた。
さっきの質問にはありのままを答えて、じゃあね、そう言って今来た道を走って戻った。

一刻も早くこの場を去ってしまいたかった。

今空に浮かんでいる雲みたいに、消えてなくなってしまえればいいのに。
今吹いている風みたいに、どこか知らない場所に行ければいいのに。

下駄箱に着いた瞬間、私は泣き崩れる。

「…う…ひっく…。」

もうダメだ。
もう限界だ。

このままじゃダメになる。

拭っても拭っても、涙は止まらなかった。

好きで、好きで、大好きなのに。

一生叶うことのない私の恋。

その事実を、現実を突き付けられた気がした。
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