気付いてよ
どれくらいこうしていたんだろう?
さっきまで明るかった外は、薄暗かった。
ただでさえ人のいない昇降口にこの薄暗さで、余計に心細くなる。
朋が鈍感で良かったなんて思っていたくせに、本当は気付いて欲しかった。
追いかけてきて欲しかった。
こんな他力本願な気持ちがいけないのかな。
でも、人の心はどうにもならない。
きっと神様だって操ることは出来ないものだ。
分かってるのにいつまで経っても諦めきれなくて。
報われないのに好きで。
「……本当…バカみたい…」
自嘲気味に笑って、独り言ちた。
つもりだった。
「霧島…?」
聞こえた声に驚いて、声のした方向に顔を向ける。
暗くて初めは分からなかったけど、一歩ずつ近づいてくるその人はどこかで見たことがあった。
「やっぱりそうだ。」
そう言った人物は大倉くんで、いつもの優しい笑顔で私を覗き込み、待ってて、と言ってまたどこかに行ってしまった。