気付いてよ
「ごめん…ね。」
気を遣わせてしまったことに申し訳なくなって、私は謝った。
「全然良いんだよ。とりあえず、もうすぐ学校閉まるし帰ろっか?」
理由を聞かないでいてくれる大倉くんの優しさに、また涙が出そうになった。
きっと、こんなことで私が泣けちゃうってこと、朋は知らないんだろうな。
うん、と頷いて私は立ち上がった。
朋以外の男の子と帰るのは初めてだった。
私に気を遣ってなのか、大倉くんは笑顔で色んなことを話してくれた。
今日は、顧問の都合で部活が急遽休みになったのに、社会科の先生に捕まって、雑用を手伝わされていたと言っていた。
私が住むマンションのすぐ近くの公園に差し掛かったとき、私は大倉くんに言った。
「ちょっと寄って行かない?」
一瞬驚いたような顔をしてたけど、笑顔で承諾してくれた。
特に深い意味はなかったけど、少しくらいお礼がしたくて、ベンチに座って待っている様に告げて、私は公園の外にある自動販売機に飲み物を買いに行った。
自動販売機の前で、好みの飲み物を聞くのを忘れたことを思い出したけど、分からないから、とりあえず5本買ってみた。
オレンジジュースとコーヒーとお茶、そしてスポーツ飲料と炭酸、この中になかったら素直に謝るしかないなぁ、そんなことを思いながら公園に戻った。
大倉くんはベンチに座ってぼーっとしていた。
「はい。どれがいい?」
「えっ?こんなに買ったの?」
「大倉くんの好み分かんなくて。この中に好きなのなかったら言って?」
もう一回言ってくるよ、と言いながら、大倉くんにペットボトルやら缶やらを差し出す。