気付いてよ
もちろん、不安や恐怖の様なものが消えたわけではない。
けれど、私の想いを告げることで、本当に微々たる何かでも、朋の心を動かすことが出来れば、失恋という結果だったとしても、私の気持ちが浮かばれる気がした。
公園に行くまでの道で、私の頭の中には、小さいころからの朋との思い出がフラッシュバックしていた。
楽しい思い出もあれば、喧嘩した思い出だってたくさんある。
喧嘩の内容なんて、今じゃ思い出せないくらい下らない理由ばかりだった気がする。
朋も私も意地っ張りなため、たとえ理由がどんなに下らなくても、なかなか仲直りが出来なかった。
思い出し笑いをしそうになるのを堪えて、歩いていると、公園の入り口を私の目が捉えた。
高いところに上っているわけでもないのに、足が竦む。
大きな深呼吸を一つして、自分を奮い立たせた。
私は静かに目を閉じて覚悟を決めた。