気付いてよ
「…っおい!」
ぐいっと肩を掴まれる。
条件反射で後ろを振り向けば、そこには白石がいた。
「なんだ。白石か。」
「なんだとは失礼だな。」
大袈裟な態度で肩をすくめて見せる友達にも、今は構ってやれる気分じゃなかった。
「で、何か用か?」
「今日はホント、いつも以上に連れないな。なんかあったんだろ?聞いてやるよ。」
にひひっと俺に笑いかけてくる。
上から目線はむかつくけど、このまま授業って気分でもなかった俺は、白石と一緒に屋上でサボることにした。
「で、どうしたわけ?ま、どーせ奏ちゃん絡みだろ?」
こいつは変なとこをだけ鋭いんだよな。
そこまで分かってるなら、もう色々気を遣って話すのもバカらしいか。
「…奏に告られた…。」
「まじ!?なに、お前奏ちゃんに告らせるとか、男としてどーなの!?ってゆかオーケーしたんだよな?」
白石から出た予想外の反応に俺はすぐさま答える。
「はぁ!?何言ってんだよ!あいつは、奏は幼馴染だよ。オーケーなんかしねーよ。」