気付いてよ
あいつらって付き合ってたのか。
でも、奏は俺のことが好きだって。
ってゆうか、なんで俺の前では泣くの我慢するのに、そいつの前では泣けるんだよ。
なんで、なんで、なんで。
俺の頭の中はそれだけで、心の中は真っ暗で。
俺はすぐさまその場から立ち去った。
これ以上見ているなんて無理だった。
どうしたんだよ。
誤魔化すのは得意なはずなのに、今はイラつきが勝ってしまって収拾がつかない。
「…なぁ、なぁって、朋哉っ!!」
「は?……し…らいし?」
気付けば目の前は体育館の入り口で、そこには首にタオルを掛けた白石がいて。
「どうした?お前さ、すごい形相で歩いて来たけど。なんかあった?ってか、ないわけないか。」
「なんもねーよ。ってか、これユニフォーム。」
乱暴にユニフォームの入っていた段ボール箱を白石に押し付ける。
「お、おお。サンキュー。」
八つ当たりなんて最低だ。