気付いてよ
「なぁ、顔真っ青だぞ?大丈夫かよ。」
「ああ…。だいじょ…うぶ……じゃねー…かも。」
自分が何を言っているかも分からない。
「はぁ?お前ホント、ってちょ、おい!?」
白石と会話する気分じゃなかった。
俺は帰るわ、部活頑張れよ、そう言ってその場を後にした。
帰り道でも俺の頭にはさっきの映像だけがループしてた。
でも、そんな俺の思考は一旦ストップした。
マンションのエントランスの前で俺は足を止める。
エントランスの自動ドアの前にはさっき見たばっかりの2人がいた。
一番会いたくなかった2人。
「あ…。」
あ、じゃねーよ。
そう言った奏は泣き腫らした真っ赤な瞳で俺を見てきた。
少しは治まったイライラが、湧き出るように広がっていく。