「好きになるはずなかったのに」
既に幾日分の体力を使い果たし
苦渋な顔つきで訪れたのが
都内のコンビニ4個分位の広さのグループ展の会場だった。
こんなにファンデーションを塗って、自分の肌を誤魔化したことも
こんなにマスカラを塗りたくったこともない。
ましてやこんな、お嬢様な格好も初めてで
露子はコスプレをしている気分だった。
冬実といったら骨が折れたことだろう……
黒のタートルネック、ピンク地でゴブラン織りの様なパフスリーブのワンピース
黒のレース状のタイツ、ダークブラウンのブーツ、コートは自前にして
髪もトリートメントウォーターをこれでもかと噴霧し
だらだらしていた長い髪を、編み込みのアップスタイルに仕立て
太めのヘアバンドでとどめをさした。