「好きになるはずなかったのに」
「いいよね……冬実は……。
最近妙につやつやしてる。
この間のあの人と上手くいってる系なの?」
露子はハーブティーを飲もうと、
そっと手を伸ばしたのだが、
冬実が「そう!?そう見える!?」と、横に詰め寄り、
ハーブティーが遠ざけられ露子はがっかりした。
「確かにいい感じだったの!
円谷(つぶらや)さん、
私と話すときすっっっごく楽しそうにしてくれて!」
「あれ以来どうしてるの?
結局会ってたりするの?」
春の女神な冬実に、
冬の女王の露子は、完璧に二人の王女を演じきっている。
「メールは毎日してるけど……て言ってもほら!
まだ、二週間しか経ってないんだし、まだ会えないよ!
でも、会いたいな……なんて!」
「え!それを本人にも言ってるの?」猫撫で声にあきれ顔の露子は、冬実の乙女な姿を手元のケント紙に描き始めた。