ゴスロリ彼女のキスの味
「な、何か用か?」
おれは質問しながらゴスロリ女との距離を空けるつもりが、全体重をかけて倉吉が寄りかかってきているので、動きは鈍い。
ゴスロリ女はおれの問いかけに白い歯を見せて反応した。
黒い濃淡の中に浮かんだ白い歯は異様に薄気味悪く、ゴスロリ女の魂胆が垣間見えた気がした。
「早く……走って逃げろ」
小声で伝えたが倉吉は首を左右に振り、おれの背中にしがみ付いているのが精一杯で、ゴスロリ女を直視していない。
おれが囁いた一瞬の隙を狙い、ゴスロリ女がステップを踏んで日傘の鋭利な先端を向けながら跳び掛ってくる。