ゴスロリ彼女のキスの味
死ぬ寸前、過去が走馬灯のように蘇ると聞いたことがある。
おれは……無人島で一人寂しく暮らす姿しか浮かんでこない。
過去を振り返るには人生が短過ぎるのだろうか?
諦めに近い感情が脳裏を駆け抜けると、一滴の水分がおれの頬を伝う。
おれが流した涙じゃない。
立て続けに二滴、三滴とおれの頬を濡らし、よく見ればアゲハ蝶のマスクの端からこぼれ落ちている。
汗?……それとも涙?
ゴスロリ女はカタカタカタと日傘を揺らし始めた。
発作?