Cygnus
「今日も差し入れ?」

ヒョイッと
抱えていた紙袋を覗きこまれて


大きくうなづいた


今日は朝早起きして作ったんだ


芳史の大好物…


「いいなぁー。
俺も食いたい…。
ねぇ、紗季ちゃん!
ちょっとだけ…」



サークル仲間の斎藤さんが

私に近づいてきたとき

「ダメ。」


横から伸びてき手に
私は引き寄せられた



一気に
視界が変わる


「斎藤。
次に紗希に近づいたら…許さない。」


低い声が頭上から降ってくる

「はいはい…。
冗談だよーっだ。

あぁー
結局、溢れてんのは俺と河野だけかよ。」


斎藤さんが項垂れた時

「一緒にしないでほしいね。」

河野さんの冷たい声が飛んだ
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