きいろい青空【完】
席に着くなり、いきなり話し始めた。
「直輝はメガネかけてた方がいいんじゃね?」
「あんまりメガネ言うな…メガネ姿見られたくないし」
手でメガネを覆う。
「おい、隠すなって!手どかせよ」
すぐさま英斗に手をどかされてしまった。
「ねぇ、なんで今日メガネなの?」
前の席に座っている花恋が、ひょこっと顔を出した。
「コンタクト忘れたの…」
「でも、こっちの方がイケメンだよな!?花恋」
英斗が首を突っ込んで来た。
またコイツ、余計なことを…
「別に」
ただそれだけを言うと、前に向き直った花恋。
「なに?どうしたん…花恋」
本人には聞こえないように英斗が尋ねてきた。
「さぁ…」
それから花恋は一度も、後ろを向いてはくれなかった。
今日もなんか…機嫌悪そう…?