69

 そんなことを言いながら。

 妖しくほほ笑み。

 自分から僕にカラダを寄せてくるオリヱを、僕は素直に抱きしめた。


「はい、よろしくお願いいたします」


「ん、もう。

 シックス・ナインってば、真面目すぎ~~」


 そう、笑いながら、口づけをねだるオリヱに。

 僕は、出来る限り優しく唇を落とした。

 でないと。

 僕の内側から突き上げるように、湧きあがるモノが。

 オリヱを引き裂くように抱けと、僕のカラダを支配しようとするから。

 オリヱは、キモチ良くなるためになら、自分のカラダを多少傷つけても良い、と僕に教えてくれていた。

 けれども、僕自身は。

 オリヱを少しだって傷つけたくなかった。

 優しく、羽のように抱いてみたかった。

 それが、僕のやり方だったし。

 たぶん、これが僕の愛のカタチだった。
 


< 3 / 49 >

この作品をシェア

pagetop