君の温もり

晴れ間が続いている間、屋上に向かったけど先輩は来なかった。

ある日の学校帰り、トボトボ駅に向かっている途中にあたしは見た。


古びたビルの階段に佇む先輩は壁に背を付けてタバコを咥えてた。

でも先輩だけじゃなかった。顔を顰めた先輩の前に居るのは女の人。一度見たことのある女の人。

先輩は彼女じゃないって言っていたその女の人。


違うって言われてんのに何だか嫉妬してしまう自分がいる。


誰だろあの人…


思う言葉はそれしかない。やっぱ気になるもんは気になるよ。

会話は聞こえないけど先輩はいい表情はしていない。女の人もいい顔はしていない。会話が気になる。なんの話しをしてるのか気になる。


近づきたいけどこれ以上は行けない、行ったらバレちゃう…


あまりここに佇まないほうがいいと思ったあたしはしっくりこないこの感情とともに息をのみ込み、あたしはこの場から離れた。

この通りはよくないらしい。この駅まで向かう道は最悪だ。この通りはあまりよくない場面に遭遇してしまう。


「綺麗だったな…」


思わず口から洩れたのは女の人に対しての言葉だった。

純粋ってあぁ言う人の事を言うんだろうか。綺麗すぎてあたしには敵わない。そら、先輩もあたしに見向きもしないはずだ。

あぁ言う人になるにはどうしたらいいんだろう。って考えても無理か…生れついた素質って奴かも知んないし。


神様は同じ人間に幸せと不幸を同じだけ平等に与えてるって聞いた事あるけど、そんなのホントなんだろうか。


あたしには分かんないや…

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