君の温もり

「嫌ってさ」

「え?」

「俺の性格上の問題」

「せ、性格?」

「あそこ行きたいここ行きたい。俺、そう言うの面倒だから」

「……」

「だから色んな所に連れて行かねぇ俺が嫌になったんだと」


“これで納得か?”

そう付け加えられた言葉に何も言えなかった。


聞いたのはあたしなのに何も返す事が出来なかった。言葉に悩む…こう言う時は何て言えばいいんだろって思った挙句、


「そ、そうですか…」


なんとも曖昧な言葉しか返す事が出来なかった。

じゃ、じゃあ…あの雨の日とビルの片隅で話してたのはなんですか?なんて聞きたいけど、そんな事まで聞いちゃそれこそ面倒な女だ。

だ、だけど…


「ま、まだ好きですか?」


何処までしつこく聞くあたしなんだ!と自分でも思う。でも先輩は、「別に」と素っ気なく告げる。


好きだからやっぱり気になって、好きだから全てをしりたいって思うのは当然の事だと思う。でも何処まで聞いていいのか何処まで聞いちゃいけないのか、その辺がよく分からない。



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