君の温もり
Γま、期待には答えられねぇし、お前が思ってるほどいい男でもねぇけど」
Γそ、そんな事ないです!先輩はいい人です」
「まだ何もしらねぇじゃん」
「これから知っていきます」
そう言ったあたしに先輩はフッと口角を上げて微笑む。
「じゃあ、俺もこれから知っていこうかな」
「そ、それって…」
「前の女を振った理由」
「え?」
「ミウが気になるから…」
あっさり躊躇いもなくそう言った先輩。
初めて名前を呼ばれた事にまたまた心臓がドキドキと動く。
先輩と居ると全てが驚く事ばかりで何度も初めてを味わう感情が湧きあがってくる。
また、まさかのまさかだった。
きっとこれは夢なんだってそう自分に言い聞かせてた。でも、ベンチに置いていたあたしの手の上に先輩の手が重なったその温かさで、夢じゃないってそう実感させられた。
「せ、先輩?」
重なった温もりに心まで沁みてくる。
手から視線を先輩に移すと先輩は口角を上げて微笑む。