君の温もり
「行かないんですか?」
仰向けになって頭の後ろで腕を組む先輩にあたしは声を掛ける。
そんなあたしに先輩は視線を向け、
「気が向いたら」
とだけ告げて目を閉じる。
その綺麗な端正な顔に目が釘ずけになり、数分足が佇んでしまった。
「じゃ、じゃあ、あたしは行くので」
見とれてしまってた自分にビックリしたあたしは、慌てて視線を逸らし先輩に声を掛ける。
「じゃあな」
その先輩の言葉に小さくお辞儀をしたあたしは急いで教室に向かった。