君の温もり

「あ、いや…見かけないなと思って…」

「あぁ…屋上にっつーか、学校に来てなかった」

「え、あの次の日からずっとですか?」

「あの日?」


いつの事だか分からない先輩はタバコの灰を落としながらあたしを見る。


「あ、えっと…ここで初めて会った次の日からです」

「あぁ…あの日か」

「はい」

「いや、何日かは来たけど眠かったし」

「眠かったって…」


思わず口にしたあたしはクスクスと笑みを漏らす。そんなあたしに先輩は何?って感じであたしを見つめ、


「眠さには勝てねぇから」


吐き出した煙とともに先輩はタバコの火を消す。


「大丈夫ですか?」

「うん?何が?」

「単位」

「あー…なんとかなってんじゃね?」

Γなんか…あっさりしてますね」


そんなあたしに先輩はフッと笑った。


Γあっさりっつーか、深く考えんのとか面倒なだけ。頭痛くなるし」

Γあぁ…そっか」


何となーくだけど先輩と少しだけ似てる部分があった。

深く考えるのとか面倒とか、あたしと似てると思った。



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