( 新撰組 * 恋情録 )

 そういえばそうだったなぁ‥と、
 今更ながら思う。

 というか、名前も知らないような
 自分で言うのもなんだけど
 怪しい女を、女中にしちゃうなんて
 新撰組って大丈夫なのかな‥←

 「 霧島凜咲です 」

 「 へぇ、どういう字を書くんですか? 」

 「 霧の島に 凜と咲く、と書きます 」

 「 良い名前ですね‥! 」

 「 凜と咲く、か‥悪くねぇな。 」

 「 ‥強そうだ 」

 「 そ、そうかな? 」

 口々に褒められて、少し照れてしまう。

 ( 最後の一人は、
     弱冠ずれてる気もするけど。 )

 「 じゃ、行くか 」

 「 何処に行くの? 」

 「 今の時間帯なら、道場だな。
  大半の隊士が稽古中で居るだろう。 」

 ( 道場、かぁ‥ )

 やっぱり屯所なんだな、
 隊士がたくさん入るような
 道場があるなんて‥。

 そんな当たり前の事を考えていたら
 土方歳三は既に部屋を
 出てしまっていた。

 慌てて追い掛けるあたし。

 「 ちょ、ちょっと待ってよ
         土方歳ぞ‥きゃっ?! 」
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