( 新撰組 * 恋情録 )
「「「 ‥‥‥ 」」」
高らかにそう宣言すると
揉み合っていた三人 ( 二人? ) は
目を見開いて動きを止めた。
「 ‥えっと、私の発言は無視ですか? 」
苦笑しながらそう問うてきたのは、
あたしの中で
[ 腹黒、悪戯好き ]
というイメ―ジが定着しつつある
沖田総司。
「 あ‥、ごめんなさい 」
うん、何も考えてなかった。←
土方歳三の部屋にしたら
襲われちゃうんだっけ‥う―ん‥
「 じゃあ後で、真剣を貸して下さい 」
「 ちょっと待てコラ! 今の会話の流れで
何をどうしたらそうなるんだ! 」
「 身を守る為です 」
「 変態疑惑を取り消しやがれぇぇえ! 」
「 あはははは! 面白いなぁこの子、
私気に入りました。今からでも
遅くありません、変態土方じゃなくて
私と相部屋しませんか? 」
「 てめぇの発言の方が
よっぽど危険だっつの!
ったく‥‥、で?お前は本当に
俺と相部屋で良いんだな? 」
「 うん、宜しく土方歳三 」
「 お前の態度が俺にだけ違うのは
気のせいか? 」
「 気のせいです 」
「 嘘つけ‥! 」
何だかほんとに、この人が
鬼の副長だなんて 信じられないなぁ‥
すっかりいつもの調子を
取り戻したあたし。
そんな様子を見兼ねてか、
土方歳三が釘を刺す。
「 お前、家事は出来るんだろうな? 」
「 もちろん! 」
でも、あたしが普通にそう返す
ものだから、
( ふぅん‥ )
という目をするしかなかったようだ。
「 ‥ならまぁ、他の隊士にお前を
紹介すっか。着いて来い―‥
‥‥‥待った。 」
「 お前の名前、まだ聞いてねぇ 」
「 ‥‥‥あ。 」