守って☆タイガー
「下衆なお前のことだ…"金持ちだから修理代くらい払えよ"って考えてるんだろう?」
「むっ…」
「甘ったれるな。貴様のような下衆な不良に払ってやる金など一銭もない」
見事俺の考えていることを言い当てられ反論できずにいたが
北野はそれはもう極寒の雪国よりも冷たい目で見下し、あっさりと俺を切り捨てた
確かに金持ちだからといって見逃してもらおうと思った俺は甘いし、それは間違いないけど…
"下衆"って2回も言うなー!!
「で、修理代の請求がザッとこんなもんだ」
「……い゙っ!?」
堪忍して何も言い返さない俺に北野はまたまた胸ポケットから1枚の紙を突き出す
そこには今まで生きてきた中で目にしたことのない金額が書かれていた
ちょっ、一体0の数…何個あるんだよ!?
衝撃的する金額に魂が抜けそうになる…いや、いっそのこと抜けてくれても良いんだけど…
「運悪くもこの車はお嬢様を病気じゃないかと疑うくらい溺愛している社長からの贈り物だ。
社長が特注をしたこの世でたった1台しかないイタリア製の高級車だからこれ位はして当然なんだよ」
どこか違う次元の話をしているように見える北野について行けない俺…
「さて…どうしてもらおうか?」
「はっ、はは…どうしましょうか?」
社会で働いているわけでもなく金持ちでもない、ただの17歳の高校生なのに多額の借金を抱えてしまった
そんな俺の運命を更に狂わしてしまう人物が現れることをこの時の俺はまだ知らない…