守って☆タイガー
━ガラッ!
「あれ?起きたの?」
「……?」
突然、躊躇することなく病室の扉が開いて、俺と北野は視線を向けると
そこには俺と同い年くらいの女が笑顔で俺を見ていた
なっ、何だ…この空気の読めなさそうな女は?
「おっ、お嬢様!」
「…へっ?お嬢様?」
不審者を見るような目で女を見ていた俺に対し、北野は慌てて立ち上がり女の名を呼んだ
北野の野郎、今この頭に花が咲いてそうなまぬけ顔の女を"お嬢様"と呼ばなかったか?
「いけません!お嬢様がこのような下等動物の前に顔を出されては襲われます!」
「てめぇ…さっきから黙って聞いてりゃ"下衆"だの"下等動物"だの好き放題言いやがって…」
さすがの俺も北野に対して堪忍袋の緒が切れそうになり、拳をポキポキと鳴らす
…しかし!ここはグッと堪えるんだ!寅安泰牙!
「突然倒れたけどもう大丈夫?」
「おっ、おぅ!」
殴りたい衝動を何とか抑えると、俺に近づくと危険だと止めていた北野を突き飛ばして女が俺の目の前まで近づいてきた
大きな瞳で見つめられたものだから、思わず怖じ気づいてしまい大丈夫だと頷く
「あなた、名前はなんていうの?」
「寅安…泰牙…」
そして女は更に顔を近づけて俺の名前を聞いた
いっ、一体何なんだ…この女は……?
そう不審な目で見ているとも気づかずにいる女は、信じられないような言葉を発した
「良いこと考えたよ、北野!トラを私のボディガードとして雇おう!」
「「はっ、はぁあぁ~!?」」