白銀の女神 紅の王
「親に捨てられたお前を拾ってやった奴は誰だ?」
「っ……」
やっぱり今日はお酒がまわっているようだ。
これはウォルターが酔った時に言うお決まりの台詞。
「身寄りもなく皆に嫌われるお前を救ってやったのは誰だと聞いてるんだよ!」
黙ってしまったことが気に障ったのか、ウォルターのボルテージは上昇するばかり。
「っ……ウォルター様…です」
耐えるように小さな声で呟く。
「だったら俺の言うことだけ聞いてればいいんだよ。わかったか?」
「はい……」
吐き捨てるように言われた言葉に素直に従う。
もともと否定するような言葉は持ち合わせていなかった。
「今日は俺の勝負は終わったからここの掃除でもしてろ」
そう言ってウォルターは再び表へ出て行った。