白銀の女神 紅の王



「何でしょうか」

主人の目が見れず、俯いたままそう言うと…



「何でしょうかじゃねぇよ」

やはり怒られた。

ウォルターの怒鳴り声はいつも大きくて、こればっかりは毎日聞いていても慣れない。



「いつもいつも俺に何回言わせる気だ?もっと良いハンドにしろと言っているだろ」

ウォルターの言うハンドとはポーカーにおいての役のこと。


「け、けれど、そんなに強いハンドにすると皆に怪しまれますし…」

ベールをグッと握りしめこれから訪れるであろう怒号に耐える。


「煩い。俺に口答えする気か?」

いつも以上に機嫌が悪い。

お酒を飲み過ぎたのだろうか…


「いぇ…そんなつもりじゃ……」

アルコールが入った時のウォルターの機嫌は悪いということを知っていたため、言葉には逆らわない。


まぁそうでなくとも主人である彼に逆らったことなどなかったが…






< 9 / 531 >

この作品をシェア

pagetop