白銀の女神 紅の王
「何でしょうか」
主人の目が見れず、俯いたままそう言うと…
「何でしょうかじゃねぇよ」
やはり怒られた。
ウォルターの怒鳴り声はいつも大きくて、こればっかりは毎日聞いていても慣れない。
「いつもいつも俺に何回言わせる気だ?もっと良いハンドにしろと言っているだろ」
ウォルターの言うハンドとはポーカーにおいての役のこと。
「け、けれど、そんなに強いハンドにすると皆に怪しまれますし…」
ベールをグッと握りしめこれから訪れるであろう怒号に耐える。
「煩い。俺に口答えする気か?」
いつも以上に機嫌が悪い。
お酒を飲み過ぎたのだろうか…
「いぇ…そんなつもりじゃ……」
アルコールが入った時のウォルターの機嫌は悪いということを知っていたため、言葉には逆らわない。
まぁそうでなくとも主人である彼に逆らったことなどなかったが…