白銀の女神 紅の王
一体いくらで自分が買われたかは知らなかったが、ウォルターは「お前は高かったんだからその分しっかり働いてもらうからな。」と言っていた。
多分一生かかっても返せない額だろう。
そしてもう一つ。
この過酷な状況下でも私が耐えられている理由があった。
それは………
「エレナ!大丈夫か?」
裏口のドアが勢いよく開き同年代くらいの男が入ってくる。
「ジェス……」
金髪にスカイブルーの瞳を持った男の名を呼ぶ。
ジェスと呼ばれた男は私と同じくウォルターの下で働く使用人。
私がここに来た時にはもうジェスはここで働いていた。
ジェスはこんな私にとても優しくしてくれた人…
私にとっては唯一自分の能力を知っていても気味悪がらなかった友人。
「また、ウォルターさんに何かされたのか?」
ジェスは心配そうにそう言う。