白銀の女神 紅の王
「何……!?」
いつもと様子がおかしい賭博場の様子。
ガヤガヤと人が慌てふためいて動く音がする。
ジェスと共に表に出て見れば、賭博場は混乱状態だった。
逃げまどう者、金を必死で袋に入れる者、怖気づいている者……
皆の視線は入口に集中していた。
追って入口に視線を移すと……
黒いフード付きのマントを着た男たちが数人立っていた。
マントからチラリと見えた銀色は恐らく剣だろう。
「動くな」
地を這うように低く、唸るような冷たい声が賭博場に響く。
たった一言だけでその場の空気を支配し、皆の動きを止めた。
「それでいい。一歩でも動いた奴は切り殺す」
残酷な言葉をまるで愉しんでいるかのごとくサラリと言う。