白銀の女神 紅の王



そんな事を考えているなど露知らずニーナは満面の笑みを返す。


「そうですね。後はイースト地区だけなんですが…」

段々と小さくなる声。



「何かあるの?」

途端に変わったニーナの表情に胸の痛みを忘れ問いかける。


「イースト地区は治安が悪くて、再建が進んでいないんです。シルバ様が王位に就いていることに不満を持った人達が再建を邪魔しているらしいのですが…」

「それがアイザックス王の家臣たち?」

私の問いにコクンと頷くニーナ。




「前王の家臣の全てがシルバ様に不満を持っているわけではないのですが、やはり、以前の様な暮らしが忘れられずにいる者達が多いようです」


そしてニーナは話す。

アイザックス王の政権下では、いかに貴族という身分を持った者が優遇されたか。

毎夜開かれる舞踏会や王妃に贈る宝石の数々も、国民の税金で賄われ。

資金がなくなれば税金を引き上げ、更に国民に負担がかかった…と。


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