白銀の女神 紅の王
「なぜかは分かりませんが、生き残った王の家臣が駆け付けた時には王妃様の遺体と暗殺者たちの亡骸の中心に全身返り血を浴びたシルバ様が立っていた…と」
ニーナから聞かされたその話に心からの震えに襲われる。
父を王城に残して母と二人だけで逃げてどんなに辛かっただろうか。
しかもそんなお父様の気持ちも虚しくお母様も目の前で……
「エレナ様……」
静かにニーナから声を掛けられる。
顔を上げると視界がぼやけてニーナがよく見えない。
そこでやっと気付く。
「あ……なんで涙なんて………」
溢れんばかりに湛えていた涙が堰を切ったように流れ始める。
涙を抑えようとしても時間がたつにつれ酷くなる一方だった。
「エレナ様はお優しいのですね」
涙を流し続ける私にニーナは微笑みながらそう言う。