白銀の女神 紅の王
「けれどシルバ様はお強いですから」
「でも……そんなの辛すぎる……」
父親の死に目には会えず、目の前でお母様を殺されるなんて……
そして両親には二度と会えない。
まだ私は両親がこの世にいると言うだけでも幸せなのかもしれない。
シルバはもう永遠に会えないのだから。
しかしそんな想いに止めを刺すようなニーナの言葉が浴びせられる。
「けれど過去はもう戻ってきません」
力強くそう言う琥珀色の瞳は強い光を湛えていた。
両親に捨てられた過去を持つとは思えない程に……
「だからこそ今シルバ様はこの国を再建しようとなさっているのです。過去はもう返っては来ませんから」
ニーナやシルバが見据えているのはひたすら未来だけだった。
けれどシルバにそんな過去があったなんて。
私はまだ過去を捨てられない。
だからこそシルバの過去に同調した自分の心が悲鳴を上げ涙が溢れた。