白銀の女神 紅の王



「シルバ…様…ッ」

ウォルターの言葉を皮切りにして口々に“シルバ”という名を呟く人々たち。

しかも見た目20代後半の青年に向かって敬称を付けている。

自分たちよりも若い青年に向かって敬称をつけるなど、よっぽどの人だということだろう。



そんなに有名な人なのだろうか…

こんなに人を従えているくらいだ、VIPのお客様かもしれない。



けれどそれにしてはウォルターの様子がおかしい。

いつもVIPのお客様が来たらそれはもう良いカモが来たと喜ぶのに。

それに対するシルバと呼ばれた人の雰囲気からして賭博をしに来たわけじゃなさそうだ。



「ほう…俺が何者か分かっていて跪きもしないとはいい度胸だ」

すっと男の纏う空気が冷気を湛える。



途端、賭博場にいた者たちが慌てたように跪く。

そして「座って…」というジェスの言葉に従うまま床へ跪いた。




「さっきまでの威勢はどうした?」

ククッと獰猛な笑みを浮かべて悠然と言い放つ彼は一体何者なのだろうか。







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