白銀の女神 紅の王



「ではまた明日の朝食で」


ニッコリといつもの様な明るい笑顔で後宮を後にするニーナ。

それを手を振りながら笑顔で送り出した。



騙してごめんなさい…


ニーナが出て行った扉を見つめる顔からは笑顔が消えていた。

本当は眠たくなんかないの。

一人になるとまた考えてしまうから。

そして考えても考えても答えは出ない。

それが胸のもやもやとなっている原因。

無限ループの様にぐるぐると廻るソレは、私の意思に反して頭を流れる。




「寝なきゃ…」


ポツリと呟いたのは自分に言い聞かせるため。

それに本当に寝ないといけない事も確かだ。

睡眠不足で体調不良を起こし、それが能力に影響する事があってはならない。

思ったところでふと我に返る。

一体いつから能力を使う事を厭わなくなったのだろうか。

あの時から能力は自ら進んで使わないと決めていたのに…




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