白銀の女神 紅の王
「いいか?今から言う俺の質問に正直に答えろ。答えなければこの場で殺す」
ソファーに押しつけられ、短剣を突き付けられたまま低い声で言い放つ男。
“殺す”という言葉に震えながらもコクコクと首を縦に振った。
それに満足した男は顔の半分を覆っていた布越しに笑う。
「お前はエレナ・マルベルか?」
男の言葉に一瞬躊躇った後にコクンと頷く。
なぜ私の名前を知っているの?
「国王が妾をつくったと噂していたが、お前だったのか」
それはまるで男が私の事を知っている様な口ぶりだった。
けれど知り合いなど限られているし、男の顔に見覚えもない。
「では次の質問だ」
困惑する私を置いて男は再び話し始める。
「お前がこの王城に連れてこられたのはお前の能力を利用する為だな?」
ッ………!
男の言葉に心臓が嫌な音を立てて鳴った。