白銀の女神 紅の王
マルベルの屋敷からウォルターに連れ去られた時の様に。
賭博場からシルバに連れ去られた時の様に。
私の意思とは関係なく私の身の振りは決められる。
そして私はいつもそれに従ってきた。
いつしか諦めていたのかもしれない。
所詮お金で取引されるモノなんだ…と。
これが私の運命なんだ…と。
けれど……今は違う。
ここに…王城にいたいと思った。
弱々しく首を横に振る。
行きたくない…
そういう意味を込めて。
「この状況で逆らうのか?いい度胸だ。だがお前の意思は関係ない」
そう言って男は短剣を突き付けたまま、口元を押さえていた手を離す。