白銀の女神 紅の王



マルベルの屋敷からウォルターに連れ去られた時の様に。

賭博場からシルバに連れ去られた時の様に。

私の意思とは関係なく私の身の振りは決められる。



そして私はいつもそれに従ってきた。

いつしか諦めていたのかもしれない。

所詮お金で取引されるモノなんだ…と。

これが私の運命なんだ…と。



けれど……今は違う。


ここに…王城にいたいと思った。



弱々しく首を横に振る。

行きたくない…

そういう意味を込めて。




「この状況で逆らうのか?いい度胸だ。だがお前の意思は関係ない」


そう言って男は短剣を突き付けたまま、口元を押さえていた手を離す。


< 182 / 531 >

この作品をシェア

pagetop