白銀の女神 紅の王



「ッ………」


なんでここに…?

思わぬ人の登場に声を上げる事も忘れる。



闇に溶ける漆黒の髪。

燃えるような紅の瞳。

いつも口元に浮かぶ獰猛な笑みは今はなく…

ただひたすらにこちらを睨んでいた。



なんでここにいるの……?





シルバ―――――





散々逸らされていた視線は痛いほどに私に向けられ。

冷たいと感じていた瞳はその瞳の色を思わせるかのように激情を湛えていた。

声が出ない代わりに涙が溢れた。

シルバの瞳がスッと細まる。




「何をしている…と聞いている」


再び低く唸る声が後宮に響く。

思わず肩をビクッと震わせる。

シルバの声は聞く者を慄かせる様な威圧感がある。

それは隣にいた男も例外ではないようだ。


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