白銀の女神 紅の王
けれど………
目が離せない………
射抜くような視線にしばし見入られていた後、その人はこちらへゆっくりと歩いてくる。
それに焦ったウォルターは立ちあがり、シルバの前に立ちふさがる。
「シ、シルバ様。珍しい女がご所望ならあちらの女などどうでしょうか?西の国の血を引いている者で毛色も珍しい赤髪ですが」
そう言って指差したのは客の女性。
艶めかしい体つきに特徴的な赤髪を持ったその女性は、怯えながらも期待の色を滲ませて、男を見る。
しかし――――
「エストの女など珍しくもない」
賭博場では人気の彼女も目の前の男にかかれば、一瞥するだけで終わってしまうようだ。
「俺が欲しいのはもっと珍しい女だ」
男はウォルターに言い聞かせるようにゆっくりと話す。