白銀の女神 紅の王
「そう例えば…銀色の髪に、銀色の瞳を持った女」
ドクンッ―――
心臓が嫌な音を立てて鼓動を刻む。
私のこと…?
このアーク王国において。
否、諸外国の国を束ねてもそのような色彩を持っているのはいないだろうと言われてきた。
子供の頃、散々気味悪がられたこの容姿。
私も銀色の髪と瞳を持った人は今までに見たことがなかった。
「そ、そのような変な女がこのアーク王国にいるはずがございません」
尚も男の前に立ちはだかって、行く手を阻もうと前に出るウォルター。
刹那―――
シュッと目にもとまらぬ速さで男が動いたと思えば、次の瞬間にはキラリと光る剣がウォルターの喉につきつけられていた。
「動いたら…切り殺すと言っただろう?」
その声は言葉だけでも人を殺せそうな程に低く冷たい。