白銀の女神 紅の王
ウィルとニーナが困ったような視線をこちらへ視線をよこす。
俺にどうにかしろということか……
救いを求めるような二人の視線に、心の中で深く溜息をつき、口を開く。
「エレナ、傷を診てもらえ」
途端、目の前の二人に睨まれる。
その目は今の言い方を非難しているようだった。
「……エレナ、アイツは出て行った。戻っても来ない。だから首の傷を診てもらえ」
若干棒読みだったことに、また二人の睨む様な視線を感じるが、エレナに変化があった。
ピクリと体を揺らしたかと思えば、俯いたまま少し距離を取る。
そして、ゆっくりと顔を上げた。
「ッ………」
顔を上げたエレナに、軽く瞳を開く。
ダイヤモンドのように輝く銀色の瞳は、吸い込まれそうなほどに透明感を帯びていて。
月光を浴びる肌に流れる涙に、思わず“綺麗だ”と思った。
脳裏に浮かんだその考えに自分自身驚いた。
女の涙など煩わしいだけだったはずだ。
なのに何故……