白銀の女神 紅の王



「……本当に行っちゃうの?」

「大丈夫です。シルバ様が守ってくださいます。」

行かないでほしいと言う願いを込めた視線も虚しく返された。



そう言う意味で言ったんじゃないのに……

一週間も会っていなかった人といきなり二人きりにされるなんて。

それに、今日のシルバは何だか苛立っている。

それも恐らく私に対して……



いつもそんな視線しか向けられた事はなかったのに、今日は何故かそれがとても怖い。

一週間も会っていなかったから、忘れてしまったのだろうか。

何にしろ、今は二人きりになりたくない……

ニーナもそれを分かっているのか、ごめんなさい…という視線をこちらに向ける。

シルバの命には逆らえないから。



「では、私たちは下がります。」

否応なしに、後宮から出て行こうとするニーナ達使用人。



「お休みなさいませ、エレナ様。」

「お休みなさい……。」

パタンと締まる後宮の扉。




そして、後宮に二人きりになった―――




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