白銀の女神 紅の王
シーンと静まり返る後宮。
静かなのはいつもの事だが、違和感を感じるのは、いつも存在しなかった人がいるから…
背後からは、明らかにこちらを見ているであろう視線をひしひしと感じた。
その射るような視線を背中に受け、ニーナ達が出て行った扉を向いたまま振りかえることが出来ない。
暫く動けないままでいると……
シュッ……カチャ―――
何かを解く音の後に、金属がぶつかり合う音が耳に入り、ビクッと肩を揺らす。
恐る恐る振り返れば、腰に下げていたシルバの剣がベッドに沈んでいた。
………?
何をしているのだろうか……
シルバの動きを目で追っていると―――
不意にシルバがこちらを向いた。
「ッ………!」
バチッと視線がぶつかる。
視線を合わせたら最後、その紅の瞳から目が離せない。
月夜の光を浴びた紅の瞳は、少し怖くないかも…と考えていると、シルバの口元が動く。