白銀の女神 紅の王
「傷は大丈夫か?」
「え……?」
言われた事の意味が分からず、思わず声を上げる。
「首の傷だ。」
「ッ……!?」
眉をしかめ何度も言わせるな、という目。
先程の様な苛立ちを含んだ瞳だったが、そんなこと、今は気にならなかった。
シルバが私の傷を心配している……?
そんな事って……
半ば信じられないような出来事だけど、ポカポカと心から温まるこの感覚が嘘じゃないと言っている。
なんだろう、この感覚。
初めて感じる心地良い感覚に、ただ、その瞳を見つめ続けた…
すると、訝しげな瞳をしたシルバが口を開く。
「オイ、聞いているのか?」
「あ、はい。大丈夫です。痕は残らないだろうって。」
眉間のしわが深くなったシルバに、弾かれたように我に返る。
そして、慌てて答えれば―――