白銀の女神 紅の王



「そうか…。」

聞く者に寄れば、そっけなくも聞こえるその声色。

だけど…どこか安堵にも似た色を含ませるその言葉。


何故か胸がキュッと締め付けられる。


気のきいた言葉をくれたわけではない。

優しい視線を向けてくれたわけでもない。



けれど、たった一言でこんなにも心が温かくなる。

ただ純粋に、心配してくれた事が嬉しかった。

ニーナ達使用人に心配された時よりも……



何故……?


あの時は男から逃げて間もなくて混乱していたから?


それとも、いつも私に関心のないシルバが心配する素振りを見せたから?




バサッ――――

黙り込んで考えていると、またベッドに何か投げ出された音が耳に入る。


今度はなに……?

訝しげな視線をシルバに向ければ……




< 215 / 531 >

この作品をシェア

pagetop