白銀の女神 紅の王
「もう良いぞ。」
シルバの声に引かれる様に、再び体をベッドの方へ向ければ……
「ッ………。」
ベッドの横に立つシルバは、いつもの正装ではなく、ゆったりとした衣服を羽織っていた。
丈が長く、袖口が広いその衣服は、まぎれもなく夜着で……
なんで……?
思わず心の中で問う。
なんで、今日なの?
シルバが今日になって何故後宮に来たのかが分からない。
あんな事があった後だから?
けど、この王城に護衛はたくさんいる。
わざわざシルバがここに居なくても、護衛を付ければ済む事なのに。
「何をぼーっとしているんだ。今日はもう寝るぞ。」
「は、はい。」
反射的に返事をしてしまう。
シルバの真意は分からないままだ。