白銀の女神 紅の王
どうしよう……
思わず返事をしちゃったけど、後宮に二人きりなんて気まずいわ。
なぜ、一度も後宮で休んだことのないシルバが、ここに来たのか……
シルバの考えなんて、いくら考えても分からないわよね。
シルバは、普段から何を考えているか分からない。
一国の国王が、そう易々と表情を読まれてはならないからだろうが、こんな時は本当に面倒だ。
どちらにせよ、私が寝る場所なんて、この後宮しかない。
それに、後は寝るだけだから、気まずさなんて関係ないわよね…
そう思いながら、先程の騒動で床に落ちていた布団を拾い上げ、いつもの定位置ソファーへ横になる。
ベッドの方に背を向けながら……
時間が経って冷たくなったソファー。
目を閉じると、先程男に攫われそうになった時の感覚を思い出し、体が震える。
仕方なく、目を開くが、これでは眠りに付けない。
もう一度、目を閉じて、体に巻き付けていた布団を握る手にギュッと力が入れる。
体を出来るだけ小さく丸め、自分の体を抱きしめる事で恐怖をやり過ごしていると―――