白銀の女神 紅の王



チッ……と小さく悪態をつく音。


小さなものだったが、静かな後宮には大きく響いた。



そして、ベッドから離れて、歩を進める音が耳に入る。



目を閉じたまま、無意識にその音を追っていると…



こっちに…来てる?

シルバの足音は、段々ソファーに近付いていた。

深い絨毯に足音が吸収され、聞き取りづらかったけれど、確かに足音はこちらへ向いていた。



案の定、すぐ後ろで足音は止まった。


なに……何なの……?

背中から、ひしひしと感じるシルバの存在。



一気に距離が縮まったことに戸惑いを感じていると―――


「きゃ……!」



フワッ―――

突然の浮遊感に襲われた。




< 219 / 531 >

この作品をシェア

pagetop