白銀の女神 紅の王
チッ……と小さく悪態をつく音。
小さなものだったが、静かな後宮には大きく響いた。
そして、ベッドから離れて、歩を進める音が耳に入る。
目を閉じたまま、無意識にその音を追っていると…
こっちに…来てる?
シルバの足音は、段々ソファーに近付いていた。
深い絨毯に足音が吸収され、聞き取りづらかったけれど、確かに足音はこちらへ向いていた。
案の定、すぐ後ろで足音は止まった。
なに……何なの……?
背中から、ひしひしと感じるシルバの存在。
一気に距離が縮まったことに戸惑いを感じていると―――
「きゃ……!」
フワッ―――
突然の浮遊感に襲われた。