白銀の女神 紅の王



「なっ…何をするんですかッ!」

後ろから覆いかぶさるようにして抱きしめられている体勢に大いに焦る。



自らが置かれている状況に混乱して、ジタバタともがいていれば…



「大人しくしろ。」

自分の体に回された逞しい腕に、より一層力が入った。



「でもっ……。」

さっきから、ドキドキと心臓が五月蠅い。

内側から響いてくるこの音が、シルバに聞こえまいかと思うと居た堪れない気持ちになる。

一刻も早くこの腕から逃れたくて抵抗を示すも、シルバは言葉一つでそれを阻む。



「黙れ。恐怖で体を震わせている奴に、抵抗する権利はない。」

「ッ………!」

なんで、バレたんだろうか。

シルバの言葉に、銀色の瞳を軽く見開いていると…



「バレていないとでも思ったか?」

溜息交じりの声が落とされる。



「………。」

図星なだけに、何も言えない。



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