白銀の女神 紅の王
「その能力を使って、俺の為…引いてはこの国の為に力を尽くしたいそうだ。」
フッ…といつもの獰猛な笑みを浮かべるシルバ。
「ッ………!」
途端、胸に鋭い痛みが走る。
人の心を読む能力を持っていて。
シルバの為にすすんで協力することを望む人。
それは、まさにシルバが欲する人だった。
「と、とても素晴らしい考えをお持ちの方なんですね。」
締め付けられる胸を無視して、笑顔を張り付ける。
どうだかな……と呟いたシルバの声は届かなかった。
同じ能力を持っている二人がいたとしたら、シルバはどっちを選ぶの……?
聞くのが怖い……
けど、聞かなきゃ。
「そ、それで、どうするんですか?」
勇気を振り絞って出したその声は、掠れていた。
すると、こちらの気も知らないシルバは、尚も書類に目を落としたまま口を開く。
「どうするも何も、その女に本当に人の心を読める能力があるのかを確かめるだけだ。」
他に何がある、とでも言いたげな口調。