白銀の女神 紅の王



「では、始めます。」

ウィルの声が広間に響く。

王座にはシルバ、その横に控えるようにして座るウィルと私。

そして、護衛の騎士達に見守られる中、一番下座で頭を下げていた女性。

人の心が読める能力を持っているであろう人。

その女性が、ゆっくりと顔を上げる。



「っ………!」

驚くほど綺麗な顔立ちをした女性だった。

髪も瞳もこの国の者であるなら多く持っているであろう色彩で…




ニーナの情報によれば、名をイザベラ。

イースト地区の伯爵家出身の人らしい。

地方からわざわざこの中央へ来たのは、シルバの為にその能力を使いたいと思ったから。

両親が事故で亡くなって、惜しむものなどなくなったから、この王城に来たとか……



「よろしくお願いいたします。」

艶やかで、色気を含んだ女性らしい声。

笑みを浮かべれば、周囲で見守る騎士たちも頬を赤らめる程。



シルバの反応は……

気になって、王座の方を見上げれば。


「始めろ。」

無表情のまま一言呟いただけ。





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